2011年ケンタッキー州のコヴィントンで開催されたブリュースター・カレイドスコープ・ソサエティー・コンベンションで最優秀作品賞受賞
万華鏡ギャラリー見世蔵キャプションより
(作家の中里保子さんは、3回連続の受賞です。)
中里さんがアメリカのコンベンションのために準備していた作品は実は違うものでしたが、3月11日の大震災や津波、テレビで流される被災地の悲惨な映像に心が痛み、何も手につかなくなってしまい、その作品を作り続ける気持が保てなくなったそうです。一時はもう創れないと思った中里さんでしたが、ゼロから別の作品を作ることにしたのです。それが「アクア」だったそうです。
映像の色は柔らかく、引き込まれるような青、グリーン、パープルでソフトにまとめられ、覘くと心が洗われるような色合いです。下からLEDライトを当てて、ブルーやグリーンにオブジェクトが染まります。
この作品を上からのぞくと、深く吸い込まれるような感じがします。呼吸をするように色が変化し、息づかいまでが聞こえるようです。生きる力を与えられる作品ですが、被災された方への「レクイエム」でもあるようです。